メンタルヘルス対策研究所の高橋です。
メンタルヘルス対策に関するあれこれを情報発信しています。
みなさんの日ごろの社内の健康管理やメンタルヘルス対策、ストレス対策に参考にしてもらえると嬉しいです。
前回、企業における4つのメンタルヘルス対策のうちのセルフケアをご紹介しましたが、いかがでしたか?
今日は次のラインケアについて少し深堀していきましょう。
ラインケアとは、グループやチーム内のメンバーがお互いのメンタルヘルスやウェルビーイングを支援し、助け合うためのアプローチやプロセスのことを指します。もともとは上司が部下の面倒を見るイメージで、チームリーダーや管理職は、ラインケアを提供する責任があります。彼らはチームメンバーのニーズを理解し、適切なサポートやリソースを提供する役割を果たします。更にチームの仲間でもお互いにサポートし合い、共感し合うことで、ラインケアを実践することがあります。
ラインケアの目的は、個々のメンバーが心理的安全性を感じ、お互いに信頼できる環境を提供することです。これにより、チーム全体の生産性や幸福感が向上し、より強い組織文化が形成されます。
ラインケアの5要素をみてみましょう
1.オープンなコミュニケーション:
個々のメンバーが心理的安全性を感じ、お互いに信頼できる環境を作る基本になるのが、メンバー間でオープンで率直なコミュニケーションを促進し、感情や意見を自由に共有することです。率直なコミュニケーションがとれないと、お互いの気持ちや考えをそれぞれが想像して決めつけたり、深読みするようになり、緊張感が漂う職場になります。これはストレスを高めることに直結してしまいます。一方率直なコミュニケーションがとれていると、感情や意見を自由に交換でき、メンバー同士の信頼関係が築かれ、問題が解決されやすくなります。
2.サポートと共感:
メンバーがお互いにサポートし合い、共感することが大切です。困難やストレスを感じた時に、他のメンバーが理解し、助けてくれる環境が整っていることが重要です。これがないと、新たなことにチャレンジすることが難しくなり、現状維持から業績の縮小につながっていきます。温かい共感とサポートがあれば、安心して新しいことにチャレンジして、すぐにうまくいかなくても経験としてこれらを乗り越え、チャレンジを続け、大きな成功を得ることができます。新規事業の成功のためには不可欠です。
3.ポジティブな雰囲気の醸成:
ポジティブな雰囲気を醸成し、楽しい環境を作ることが必要です。笑いやユーモアを取り入れることで、ストレスやプレッシャーを和らげ、メンバーのモチベーションを高めることができます。ポジティブな雰囲気のなかでは、失敗も経験として前向きに迎えられ、次のチャレンジをしやすくなります。その結果大きな成功をつかむことが可能になるのです。
4.ストレス管理とリラックス法の共有:
ストレスはメンタルヘルスに悪影響を与える要因の一つであり、それを軽減することは重要です。ラインケアの一環として、メンバーがストレスの原因や対処法を共有し、リラックスや気分転換の方法を提案し合うことが役立ちます。そもそもストレスが強くなりそうな状況を理解し、それを軽減するように対応することから始まります。業務量を調整して、特定の人に負荷が集中しないようにしたり、休憩時間などをうまく利用して軽い運動や楽しい雑談などもリラックスをもたらします。それによりメンバーが、お互いに支え合うことが重要です。
5.目標設定と成果の共有:
目標を設定し、その達成度を共有することで、メンバーのモチベーションを高めることができます。目標を達成した際には、その成果をメンバー全員で喜び合い、チームの結束を深めることが大切です。メンバーの一人の成功であってもその陰にはチームのサポートや協力があることが普通なので、管理職の人は全員の功績としてチームメンバー全員をねぎらうことでチームメンバー全員のモチベーション向上につながります。
これらを参考に、皆さんの会社でも、最適なラインケアを行って、健康な心の状態を生み出し、メンバー同士のサポートや協力を通じて、心理的安全性を生み出し、さまざまなチャレンジや意見交換を活発にして、生産性を向上させていってください。