#09:スポーツや運動はストレス対策にいい?

メンタルヘルス対策研究所の高橋です。

メンタルヘルス対策に関するあれこれを情報発信しています。

みなさんの日ごろの社内の健康管理やメンタルヘルス対策、ストレス対策に参考にしてもらえると嬉しいです。

緑も濃い季節になってスポーツに取り組み始めた人も多いのではないでしょうか。

今回はスポーツとメンタルヘルスの関係を深堀してみようと思います。

1. ストレスの軽減

スポーツや運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げ、エンドルフィンやセロトニンといった「幸せホルモン」の分泌を促します。これにより、ストレスや不安感が軽減され、心の健康が保たれやすくなります。もう少し詳しく解説するとエンドルフィンは「幸せホルモン」として知られており、痛みを軽減し、幸福感をもたらします。運動中や運動後に分泌が増えるため、「ランナーズハイ」と呼ばれる幸福感や高揚感を感じることがあります。エンドルフィンの分泌により、ストレスや不安感が軽減され、気分が向上します。

適度な運動はコルチゾールのレベルを下げ、ストレスの軽減に寄与します。しかし、過度な運動や過剰なトレーニングは逆にコルチゾールの分泌を増加させ、ストレスや疲労を引き起こす可能性がありますので、バランスの取れた運動が重要です。そのほか運動中にはセロトニンやドーパミン、アドレナリンの分泌も増え、安定感やリラクゼーション、やる気や達成感などの効果も期待できます。

2. 気分の改善と鬱症状の軽減

定期的な運動は、うつ病や不安障害の症状を軽減する効果があります。運動によるエンドルフィンの分泌は、自然な抗うつ作用を持ち、長期的には脳の構造や機能を改善し、気分を安定させる効果があります。また、運動は睡眠を深くするなど睡眠の質を向上させるため、これもメンタルヘルスに寄与します。ただし睡眠に対しては、運動直後は運動の覚醒作用のため、かえって寝つきがわるくなったりするので、運動は寝る前3時間は避けるようにしてください。

3. 自尊心と自己効力感の向上

スポーツに取り組むことで、目標を達成する経験が増え、自尊心や自己効力感が向上します。チームスポーツでは、仲間との協力やコミュニケーションを通じて社会的スキルが向上し、自信がつくことが多いです。また、個人スポーツでも、自分自身の限界に挑戦し、成功体験を積むことで、自己肯定感が高まります。このような効果を得るためには、各自のレベルにあった課題設定をすることが大事で、いきなり大きな課題をたっせいしようとすると挫折体験となってしまうこともあるので、本人の能力とやる気、現在の身体能力などを適切に評価して、努力を継続できるような工夫が必要です。

4. 社会的なつながりとサポート

スポーツ活動を通じて、友人や仲間とつながることができるため、社会的サポートが得られます。これにより、孤独感が軽減され、メンタルヘルスに良い影響を与えます。特にチームスポーツでは、共通の目標に向かって協力し合うことで、強い絆が生まれやすくなります。

5. 生活習慣の改善

定期的な運動習慣は、全体的な生活習慣の改善にもつながります。健康的な食事、十分な睡眠、適切な休息などが促進され、これらが相互に作用して心身の健康が維持されます。良い生活習慣は、メンタルヘルスの維持や改善に大きく寄与します。

これらの点を総合的に見ると、スポーツは身体だけでなく、心の健康にとっても非常に重要な役割を果たしていることが分かります。定期的な運動を取り入れることで、メンタルヘルスの向上が期待できます。

これを機会に運動していない人は適切な運動習慣を確立していただけるとうれしいです。また運動習慣のあるかたは、自分の状況を再分析して、自分の心身の向上につながるように検討してみてください。くれぐれもオーバートレーニングには気をつけてください。

皆さんの生活に運動やスポーツを上手に組み入れて、健康で幸福な生活を構築していきましょう。

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