メンタルヘルス対策研究所の高橋です。メンタルヘルス対策に関するあれこれを情報発信しています。皆さんの日ごろの社内の健康管理やメンタルヘルス対策、ストレス対策に参考にしてもらえると嬉しいです。
馬は人間の生活とともにいることの多かった動物です。荷物を運んだり、乗り物となったり、農耕に使われたりと、少し前まで馬は私たちの生活のそばにいました。車や機械の導入で馬が生活のなかで使われることは減ってきましたが、馬とともに過ごすことで心病んだ人たちが人への信頼感や生きる活力を取り戻すことがいくつか報告されています。
この馬の癒しの力をつかって、障害を持つ人々のリハビリテーションや精神的な支援の手段として開発されてきたのがホースセラピーです。現代のホースセラピーは1960年代から1079代にかけて開発されたもので、馬との接触や乗馬を通して、自己認識の向上、ストレスの軽減、コミュニケーション能力の向上、筋力のバランスの改善などの効果が認められています。そこで、自閉症スペクトラムや発達障害、心的外傷ストレス障害(PTSD)、不安やうつ病、認知症、身体的なリハビリテーションなどに応用されていますが、これらの場合には安全に配慮したプログラムや専門家のサポートが必要です。
これに対して、ホースウエルネスプログラム(Horse Wellness Program)とは、馬を介して人々の健康やウェルビーイングを促進するプログラムです。通常、このプログラムは以下のような目的を持っています:
- 身体的健康の向上: 馬との関わりを通じて、参加者の筋力、バランス、柔軟性などを改善し、身体的な健康を促進します。馬にお世話をすることで、日常的な運動やアクティビティが増えることがあります。
- 精神的および感情的な健康の支援: 馬との交流や世話をすることで、ストレスの軽減やリラクゼーションが促進され、精神的な健康をサポートします。馬とのコミュニケーションは、自己認識や自己信頼の向上にも繋がることがあります。
- 教育とリーダーシップの機会: ホースウェルネスプログラムでは、馬に対する責任やリーダーシップを学ぶ機会が提供されます。馬との関わりを通じて、コミュニケーション能力や協調性を向上させることが目指されます。
- リハビリテーションや社会的統合の支援: 特定の障害や困難を抱える人々に対して、ホースウェルネスプログラムはリハビリテーションや社会的統合の一環として役立ちます。例えば、身体的なリハビリテーションや認知症患者の日常生活の向上などがあります。
具体的なホースウェルネスプログラムの内容は、施設や提供者によって異なりますが、一般的には馬のケア、乗馬、馬との交流、または馬に関連するアクティビティを通じて、参加者の健康や幸福感を向上させることが目指されています。